「備えなきゃ」と思いながら何もできていない人へ|災害・緊急時の備え不足を今日から解決する7つのステップ

🌸悩み解決

「そのうち準備しよう」と思い続けて、もう何年も経っていませんか?

私も正直、ずっとそうでした。防災グッズのセットを買ったのに、袋の口を開けないまま押し入れの奥に押し込んで、それで「備えた気」になっていたんです。なんとも情けない話ですよね。ところが、2024年の能登半島地震のニュースを見ながら、はたと気づいたわけです。「これ、いざとなったら全然使えない」と。

実は、こんな人はあなただけじゃありません。ある調査では、93.5%もの人が「必要十分な備えができていない」 と回答しています(セゾン自動車火災保険、2024年)。つまり10人中9人以上が、備えに不安を抱えたまま日常を送っているということなんです。

この記事では「何を備えればいいかわからない」「面倒で後回しにしてしまう」というリアルな悩みに向き合いながら、今日から動ける具体的な方法をお伝えします。防災グッズのリストを並べるだけの記事とは、ちょっと違うアプローチです。


なぜ備えが進まないのか?その本当の理由

「大事だとわかってるんだけど、なかなか……」という気持ち、すごくよくわかります。

内閣府の防災白書によると、備えができていない理由の多くは「時間がない」「コストがかかる」「何をすればいいかわからない」の3つです。注目したいのは、大災害が発生してその記憶が新しいうちは防災意識が高まるのに、時間が経つと急速に薄れていくという繰り返しのパターンです。阪神淡路大震災直後に携帯ラジオや懐中電灯の準備率が58%まで跳ね上がり、その後じわじわと40%台まで落ちていった……という内閣府のデータがその典型です。

人間ってそういうものなんですよね。目の前に迫っていない脅威は、どうしても後回しになる。

もう一つ、私が「なるほどな」と感じた視点があります。国際災害レスキューナースの辻直美さんはこう語っています。「被災経験のない人は、テレビや友人から聞きかじった情報から推測して防災グッズを用意することが多い。被災の現状は、平常時にイメージする内容とは全く違う」と。つまり、私たちのほとんどは想像の中の災害に備えようとしていて、それがどこかピンとこない理由になっているということなんです。

だから、備えが「面倒」に感じる時は、自分を責めなくて大丈夫です。それは怠慢じゃなくて、脳の正常な働きなんですね。大事なのは、その仕組みをわかった上でどう動くかです。


まず5分でできる「0→1」の備え方

備えを始めるコツは、「完璧にやろうとしない」ことです。

ある調査で、防災対策をしていない最大の理由が「具体的にどうすればいいかわからない(50.8%)」だったという結果があります(LIFULL HOME’S PRESS調査)。ですから、まず一番ハードルの低いところから始めましょうよ。

今夜できる「たった3つ」のアクション

① スマホに「災害用伝言ダイヤル171」の番号を登録する これはタダでできます。所要時間30秒。家族の安否確認ができるサービスで、大規模災害時に電話回線が混雑しても使えます。なんと一度も試したことがなかった私は、去年初めてテスト体験版を使って「へぇ、こんな感じか」と驚いた次第です。171に電話して、伝言を録音・再生するだけです。

② 自宅近くの避難場所をGoogleマップに保存する 市区町村のホームページかハザードマップポータルサイト(国土交通省)で確認できます。ただ「どこかにある」ではなく、マップにピンを刺しておく。それだけで、いざという時の頭の中がまったく変わります。

③ 玄関の靴箱の上に懐中電灯を置く 夜中に大地震が来た場合、真っ暗な中をガラスが散らばっているかもしれない床で動き回ることになります。懐中電灯は押し入れの奥ではなく、すぐ手の届く場所に。単3電池2本のシンプルなものでいいんです。


この3つが済んだら、合格です。本当に。続きは明日でも来週でも構いません。備えを「習慣」にするには、まず「動いた事実」が必要ですから。


絶対に備えるべき「命を守る72時間キット」の中身

災害発生から72時間(3日間)は、救助・支援物資の到着前に自力で生き延びる必要があります。ここが最も重要なフェーズなんですね。

政府広報によると、最低限の目安はこうです。

カテゴリ必要量(1人あたり)ポイント
飲料水3日分・1日3リットル = 9リットルペットボトル2Lを5本
非常食3日分アルファ米、缶詰、乾パンなど
現金数万円(小銭含む)停電時はATM・カード使えず
懐中電灯・ラジオ各1つ予備電池も必ず
応急セット絆創膏、体温計、常備薬持病の薬は3日分以上
モバイルバッテリー10,000mAh以上スマホ2〜3回分
簡易トイレ家族人数×3日分断水時のトイレ問題は深刻

特に「簡易トイレ」だけは今すぐ買ってほしい理由

正直、私は長い間トイレ問題を軽く見ていました。食料や水は意識していたのですが、断水した時のトイレって本当に深刻なんです。水が流れないだけでなく、衛生問題や臭い、プライバシーの問題まで出てくる。能登地震の被災報告を読んでいて「じわじわ一番つらかったのはトイレだった」という声が多く、やっと重い腰が上がりました。

市販の簡易トイレセットは100回分で2,000〜3,000円程度です。これを今日帰りに買っていただけたら、この記事を書いた意味があります。


見落としがちな「その後1週間」の備え

実は大規模災害では、内閣府も「1週間分の備蓄が望ましい」と推奨しています。3日間を乗り越えた後、さらに4〜7日目の生活を支える備えが必要なんですね。

72時間を過ぎてから「じわじわ困ること」

被災経験者の声から見えてくるのは、以下のようなものです。

  • 情報が入らなくなる: 最初の数日はラジオやスマホで情報が入るが、バッテリーが切れたり電波が不安定になると孤立する
  • 衛生環境の悪化: シャワーが使えない日々が続くと、体も精神も消耗していく
  • 食事への飽き: 非常食だけで1週間……これは意外とメンタルにきます。「ちょっとだけ美味しいもの」をひとつ入れておく価値があります
  • 現金の不足: 停電が続くとATMもカードも使えません。手元に1〜2万円の現金、特に100円・10円の小銭を一定量持っておくことが重要です

私が「そこまで気が回らなかった」と反省したのが、女性用品や赤ちゃん用品です。ある調査では、女性用品の備えが十分にできている人は**わずか8%しかいませんでした。また乳幼児・高齢者向けの備えが十分な家庭も6.6%**という衝撃的な数字です。「水と食料を確保した」だけでは、家族全員は守れない可能性があります。


家族それぞれの備えを考える視点

「家族4人分の水を用意した」。でも、その家族の状況を細かく見ていますか?

子どもがいる家庭のポイント

乳幼児がいる場合は、ミルク・紙おむつ・哺乳瓶の備えは最低3日分必要です。離乳食も月齢に合ったものを用意しておきましょう。子どもはストレス下でぐずりやすくなります。「お気に入りのおもちゃ1つ」を防災袋に入れておくだけで、避難所でずいぶん助かったという声があります。

高齢者・持病がある家族のポイント

毎日服用している薬は最低でも3日分を持ち出し袋に。ただし薬によっては保管条件があるので、かかりつけ医に相談しておくといいでしょう。眼鏡・補聴器・入れ歯洗浄剤なども、忘れがちですが生活の質を大きく左右します。

ペットがいる家庭のポイント

ペット用の備えが十分な家庭は**9.7%**という調査データがあります(2024年)。ペットは「同行避難」が基本となりつつありますが、受け入れを断る避難所も多いのが現実です。キャリーケース、フード3日分、ワクチン接種証明書のコピーは最低限用意しておきましょう。


知識とスキルを蓄える|モノだけでは不足なわけ

「モノを買って安心」で終わっている人が実は多い。これが今の防災の最大の落とし穴だと私は感じています。

辻直美さん(国際災害レスキューナース)の言葉が刺さりました。「災害時は日常にできることしかできない。普段からスムーズにできていなければ、全く機能しない」と。

今年一度は「防災ピクニック」をやってみてほしい

防災ピクニックとは、実際に避難袋を背負って自宅から避難場所まで歩き、非常食を食べてみるという体験です。三井住友海上が提唱している方法ですが、これが実際にやってみると発見だらけなんですよね。

私が友人に聞いた体験談がこれです。「避難場所まで歩いたら30分かかった。非常食のアルファ米を作ったら、お湯の量を間違えて最初は食べられなかった。そして、買っていた懐中電灯の電池がすでに切れていた」。家にいて「あの引き出しにある」と思っていたものが、いざという時に全然機能しなかったというのはよくある話なんです。

家族全員で話し合う「もしもの時のシナリオ」

  • 地震が起きた時、家族がバラバラにいる可能性は?
  • 子どもが学校にいる間に大地震が来たら、どこで合流する?
  • 連絡がつかない時は、どこに集合するのか決まっている?

これを決めていない家庭は、実は少なくありません。三井住友海上の調査でも「安否確認方法を決めている人は13.4%」でした。9割近くが決めていないということです。ちょっと怖くなりませんか?


ローリングストックで「備え続ける仕組み」を作る

「備えた」で終わると、数年後には賞味期限切れの缶詰の山ができます。これ、本当によくある失敗です。

ローリングストックは、普段の食材を少し多めに買い置きして、使ったら補充するサイクルを回す方法です。特別な非常食を別に管理するより、ずっと現実的で長続きします。

ローリングストックの基本ルール

  1. 3日〜1週間分を「常に」持っておく量を決める(例:カップ麺10個、缶詰20缶、パスタ1kg×3袋など)
  2. 使ったら次の買い物で補充する
  3. 賞味期限が近づいたものから食べて、新しいものを後ろに並べる

お風呂の水を常に張っておくことも、同じ発想です。生活用水として使えます。ただし浴槽の水は飲料水にはなりませんので注意してくださいね。

防災グッズの「見直しタイミング」を決める

私は毎年9月1日(防災の日)を「防災見直しデー」にしています。このタイミングで非常袋の中身を確認して、電池を交換して、賞味期限をチェックする。年に一回なら忘れないですし、夏の終わりに防寒具の点検もできる一石二鳥のタイミングです。


今すぐできる!防災アクションチェックリスト

では最後に、今日からできるアクションを段階別に整理しましょう。「全部やらなきゃ」と思わないでください。一つ一つクリアしていけばいい話です。

【今日すぐ】5分以内にできること

  • [ ] 災害用伝言ダイヤル「171」の番号をスマホに登録する
  • [ ] 家族全員で最寄りの避難場所を確認・共有する
  • [ ] 懐中電灯を取り出しやすい場所に置く

【今週中】30分あればできること

  • [ ] 飲料水(1人9リットル=ペットボトル2L×5本)を購入する
  • [ ] 簡易トイレセットを購入する
  • [ ] モバイルバッテリーの充電状態を確認する
  • [ ] 家族の合流場所・連絡方法を決めて共有する

【今月中】準備が整う

  • [ ] 3日分の非常食を揃える(アルファ米、缶詰など)
  • [ ] 応急セット(絆創膏・体温計・常備薬3日分)を用意する
  • [ ] 非常用持ち出し袋を一つにまとめる
  • [ ] 家族それぞれの特別な備え(乳幼児・高齢者・ペット)を確認する
  • [ ] 近くの避難場所まで実際に歩いてみる

【3ヶ月以内】本当に使える備えに

  • [ ] ローリングストックの仕組みを日常に組み込む
  • [ ] 家具の転倒防止対策(L字金具、突っ張り棒)を実施する
  • [ ] 自宅のハザードマップを確認する
  • [ ] 防災ピクニックを家族でやってみる

まとめ

「備えなきゃ」という気持ちだけで何年も過ごしてきた人が、9割以上いるという現実。これは個人の怠慢ではなく、人間の脳の構造と、「何から始めればいいかわからない」という情報過多の問題でもあります。

でも逆に言えば、ちょっとでも動き出した人が残りの9割より大幅に有利になれる、ということでもあるんですよね。

今日、この記事を読んでくださったあなたには、まず一つだけお願いです。「171をスマホに登録する」「簡易トイレを買う」「避難場所を調べる」。どれでも構いません。たった一つの小さな行動が、習慣の種になります。

命を守る準備は、いつ始めても早すぎることはありません。でも、遅すぎることはあります。


参考情報

  • 内閣府防災情報ページ:https://www.bousai.go.jp/
  • 首相官邸「災害が起きる前にできること」:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
  • 国土交通省 ハザードマップポータルサイト:https://disaportal.gsi.go.jp/
  • 政府広報オンライン「災害に備えた家庭備蓄のポイント」:https://www.gov-online.go.jp/
  • 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」

記事更新日:2026年3月

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