ダブルケアの悩み、一人で抱えていませんか?今日から使える具体的な解決策

🌸悩み解決

「子どもが泣いているのに、お義母さんのトイレ介助が終わらない——」

そんな朝が、毎日続いていませんか。

育児と介護を同時に担う「ダブルケアラー」の実態は、数字で見ても相当に過酷です。明治安田生命の調査によれば、ダブルケアを行っている人の約6割が「時間的余裕がない」と回答し、約5割が「経済的余裕がない」、そして約4割が「精神的余裕がない」と感じています。3つ全部、という方も少なくないでしょうね。

この記事では、ダブルケアの「よくある悩み」を起点に、具体的な解決策と使えるサービス・制度を整理しました。「何から手をつければいいのかわからない」という状態から、「とりあえずここに連絡してみよう」という一歩に変える情報をお届けします。


ダブルケアとはなにか?まず現状を整理しよう

ダブルケアとは、育児と介護を同時に担う状態のことです。2012年に横浜国立大学の相馬直子教授と英国ブリストル大学の山下順子上級講師が提唱した言葉で、晩婚化・晩産化によって育児と親の介護が時期的に重なるケースが増えたことから、社会問題として広く認識されるようになりました。

内閣府の調査(2016年)では、全国のダブルケアラー数は少なくとも約25万人。そのうち女性が約16.8万人、男性が約8.5万人と、女性への偏りが顕著です。年齢層は30〜40代が全体の約8割を占め、いわゆる働き盛り世代に集中しています。

「うちは特殊なケースだ」と思っていませんか?実はそうじゃないんですよね。特に40歳前後での出産は、親の介護時期と完全に重なります。少子化で兄弟姉妹が少ない現代、ケアを分担できる人間が家族の中に自分しかいないというケースも珍しくありません。

ダブルケアが増えている3つの背景

要因具体的な内容
晩婚・晩産化出産年齢の上昇で、育児期と親の介護期が重なりやすくなった
少子化・核家族化兄弟姉妹が少なく介護の分担が困難。地域とのつながりも希薄化
女性の社会進出共働きが一般化し、仕事・育児・介護の三重負担が生じやすい

ダブルケアラーの「本当のつらさ」とはなにか

どの解説サイトを見ても「精神的・身体的・経済的な負担が大きい」と書いてあります。それはその通りなんですが、実際のところはもう少し複雑で、「どちらを優先すればいいのかわからない」という板挟みのつらさが特に深刻です。

子どもが夜泣きしているのに、親のオムツを替えなければならない。仕事の電話が鳴っているのに、親のデイサービスの迎えを待っている。どちらも「待ったなし」で、どちらかを後回しにするたびに罪悪感が積み上がっていく——この感覚は、育児だけ・介護だけの人には伝わりにくいんですよね。

ある実態調査に登場するAさん(38歳)のケースが印象的でした。5歳と1歳の子を育てながら会社に勤めていた彼女は、義父が亡くなったことで突然ダブルケアに直面。起床は毎朝6時、就寝は午前1時頃。睡眠時間はわずか5時間ほどですが、下の子の夜泣きでそれすらまともにとれない。しかも夫は仕事が忙しく、誰にも相談できないまま精神的に追い込まれていったといいます。

私が特に気になったのは「誰にも相談できなかった」という部分です。ダブルケアラー経験者の約3割が「家族の支援を受けられなかった」と回答しているデータもあります。介護の話はなかなかママ友にはしにくい。でも、介護の専門家(ケアマネージャーでさえ)はダブルケアをあまり知らない。まさに「狭間」に落ちてしまうわけです。


悩み別の解決策:今すぐできることから始めよう

悩み①「どこに相談すればいいのかわからない」

これが一番多い悩みかもしれませんね。育児と介護で窓口がバラバラになっているのが現状で、たとえば育児の相談は「子育て世代包括支援センター」、介護の相談は「地域包括支援センター」と、同じ自治体でも別の場所に行く必要があります。

ただ、実はどちらの窓口に行っても「ダブルケアをしています」と最初に伝えれば、もう一方への橋渡しをしてもらえることが増えてきています。特に地域包括支援センターは、高齢者の介護に関することであればどんな相談でも受け付けてくれる頼もしい存在です。

まず行くべき3つの窓口

  • 地域包括支援センター(介護側の総合窓口。介護予防の相談もOK)
  • 子育て世代包括支援センター(育児全般の相談。0歳〜就学前が対象)
  • 社会福祉協議会(社協)(育児・介護両方に対応するサービスあり)

「ダブルケア相談窓口」を独自に設けている自治体も増えています。大阪府堺市では各区役所内の基幹型包括支援センターにワンストップ窓口を設置し、保健師・ケアマネージャー・社会福祉士がチームで対応しています。お住まいの自治体名で「ダブルケア 相談窓口」と検索してみてください。

悩み②「時間がまったくない。サービスを調べる余裕もない」

これは本当に悪循環ですよね。助けが必要だから調べたいのに、調べる時間がないから助けを得られない。

まず介護側で使えるのがデイサービス(通所介護)とショートステイ(短期入所生活介護)です。デイサービスは週に何日か施設に通ってもらうことで、日中の介護負担をゼロにできます。ショートステイは数日〜数週間の宿泊を伴うもので、「育児に集中したい」「少し休みたい」というタイミングで活用できます。

育児側では一時保育(一時預かり)が使えます。保育園の定期利用だけでなく、スポット的に預けられる仕組みで、介護の突発的な対応が必要なときに助かります。

私がこれを知ったときの正直な感想は「もっと早く教えてほしかった!」でした。こうしたサービスが存在することは多くの人が知らないまま、ひたすら一人で頑張り続けてしまうんですよね。

在宅で使える主な介護保険サービス

サービス名内容主なメリット
デイサービス施設への日帰り通所日中の介護負担を軽減
ショートステイ施設への短期宿泊数日単位で負担ゼロ
ホームヘルパー自宅への訪問介護入浴・食事などを代行
訪問看護看護師の自宅訪問医療的ケアも対応

ポイントは、ショートステイは「空きがあれば」かなり融通が利くという点です。ダブルケアをしていると伝えると、特別養護老人ホームの入所審査で優先されるケースもあります。諦めずに「ダブルケアをしています」と伝えてみてください。

悩み③「仕事を続けるか辞めるか、本当に迷っている」

ダブルケアを理由に離職した女性は17.5%というデータがあります。でも、辞めた人の6割は「就業を希望していた」という現実があって——つまり、辞めたかったわけじゃなくて、辞めざるを得なかったということなんですよね。

仕事を続けることの経済的な意味はもちろん、精神的な逃げ場としても重要です。育児と介護だけの生活は、思いのほか「自分」を失いやすい。「仕事に行っている間だけは自分でいられる」という感覚を持つ当事者は多く、無理に辞めるべきではないケースが多いです。

使える制度として、介護休業(最大93日)と介護休暇(年5日〜10日)があります。介護休業は一度に使いきる必要はなく、3回まで分割取得ができます。「介護が落ち着くまでの準備期間」として使うのがポイントで、在職中に支援サービスや施設の手配を進め、復帰後は外部サービスをフル活用するという流れが理想的です。

また、2025年4月から段階的に施行されている改正育児・介護休業法により、企業には以前より強い柔軟な働き方の対応が義務付けられています。職場の上司や人事担当者に「ダブルケアをしている」と伝えることは、仕事を守るための有効な一手です。


「介護と育児は関わり方が違う」という盲点

これ、競合記事ではあまり触れられていない重要な視点なんですが、介護と育児では「正しい関わり方」がまったく逆なんです。

育児は、できるだけ直接関わることで子どもの安心感や自己肯定感が育まれます。抱っこして、話しかけて、一緒に遊ぶ——その時間と質が、子どもの成長に直接つながる。だから育児はやった分だけ意味があるんですよね。

ところが介護は、直接関わりすぎると逆効果になることがあります。親が自分でできることをやらなくなったり、「家族がやってくれるから」と外部サービスを拒否するようになったり。つまり、介護はやればやるほどタスクが増えてしまうという逆説があるわけです。

だからこそ、介護については「適切な距離感」を保つことが重要です。プロのサービスをうまく使いながら、必要な部分だけ自分が関わる。この考え方に切り替えるだけで、精神的な負担が大きく変わります。

私がこれを聞いたとき、少し救われた気持ちになりました。「もっとやらなければ」ではなく、「うまくサービスに任せることが正解なんだ」と思えると、罪悪感が少し薄れるんですよね。


「ダブルケアカフェ」で孤立から抜け出す

孤独感は、ダブルケアの精神的負担の中でも特に重いものです。育児仲間がいても「介護の話はしにくい」、介護の相談をしても「育児との両立の大変さはわかってもらえない」——この感覚を抱えているダブルケアラーは多いですよね。

そこで効果的なのが「ダブルケアカフェ」への参加です。当事者同士が集まり、体験談や悩みを共有するこのコミュニティは、全国各地に広がっています。社会福祉協議会や地域包括支援センターと共催する形での開催も増えており、相談窓口につながるきっかけにもなります。

検索するときは「ダブルケアカフェ ◯◯(お住まいの地域名)」で探してみてください。同じ状況の人と「あるある話」ができるだけで、気持ちがずいぶん楽になりますよ。


ダブルケアの「お金の話」も避けて通れない

ソニー生命の調査(2018年)では、育児と介護にかかる費用の合計が月7万円を超えると言われています。子どもの保育費と親の介護サービス費が同時にかかるわけで、これが家計に与えるインパクトは相当です。

利用できる経済的支援の例

  • 高額介護合算療養費制度:医療費と介護費の合計が一定額を超えると払い戻しが受けられる
  • 介護休業給付金:介護休業中に、給与の約67%が支給される(ハローワーク経由)
  • 各自治体の独自補助:子育て支援や介護支援の補助金が地域によって異なる

「申請しないともらえない」のが日本の支援制度の特徴です。特に介護休業給付金は知らずに損している人が多いので、休業を取る前にハローワークに確認することを強くおすすめします。


「備え」があれば怖くない。今すぐできる3つの準備

実はダブルケアを経験した人の4割近くが「備えをしていなかった」と答えています。介護は突然始まることが多く、準備ゼロの状態で飛び込んでしまうと余裕がなさすぎてすぐに限界を迎えます。

ダブルケアにまだ直面していない方にこそ、今できる準備があります。

準備①:親の状況を早めに把握する 帰省のタイミングで地域包括支援センターを一緒に訪問し、介護予防の情報収集をしておくのが効果的です。「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちが一番準備しやすいタイミングですよ。

準備②:兄弟姉妹・家族と役割分担を話し合う 介護が始まってからでは感情的になりやすいので、事前に「誰がどの役割を担うか」を話し合っておく。全員が納得できる分担になるには複数回の話し合いが必要なので、早いに越したことはありません。

準備③:職場の制度を確認しておく 介護休業・介護休暇の制度が自分の職場にあるか、人事担当者に事前確認しておくだけで、いざというときの動きがまったく違います。


まとめ:「頼ること」が最高のケアになる

ダブルケアで一番大切なことを一言で言うなら、「頼ること」だと思います。冒頭にご紹介した体験談の中で、「頼ることができる人は頼られる人になる」という言葉がありましたが、これは本当にそうだと感じます。

行政窓口に相談することも、デイサービスを使うことも、ダブルケアカフェに参加することも——それは「諦め」ではなく、限られたエネルギーを「本当に自分でなければできないケア」に注ぐための賢い選択です。

育児は親にしかできない直接の関わりが必要です。子どもとの時間に集中するために、介護の部分はプロに任せる。その切り替えができるかどうかが、ダブルケアを長く続けるための鍵になるんですよね。

まず一つだけ、今日試してほしいことがあります。お住まいの自治体の地域包括支援センターに電話して、「育児と介護を同時にしているんですが…」とだけ伝えてみてください。そこから必ず、次の一手が見えてきます。

一人で限界まで頑張らなくて、いいんです。


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参考:内閣府「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」(2016年)、明治安田生命福祉研究所「育児と介護のダブルケアに関する調査」(2022年)、ソニー生命「ダブルケアに関する調査」(2018年・2024年)、日本財団ジャーナル(2025年7月)

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